京都の祇園祭、日本人なら知らない人はいないのではないでしょうか?
この祇園祭が実施される7月1日~31日の1ヵ月間、
京都市内の中心部である祇園~四条河原町、
烏丸界隈がいっそう賑やかになります。
クライマックスの山鉾巡行や宵山が人気ですが、
その前後にも様々な行事が行われているので人が途絶えることはありません。
このため、混雑を避けるのは非常に難しいのですが…。
今回はその混雑をどう回避するかなどについて、お話ししていきたいと思います。
祇園祭、京都市内から電車で行く場合の混雑回避法
2018年の前祭宵山(さきまつりよいやま)は、
2018/7/14(土)~16(月・祝)、
山鉾巡行は7/17日(火)の日程で行われます。
前祭宵山の歩行者天国は7/16の18時~23時まで(予定)、
四条通の八坂神社~堀川間です。
また大船鉾の四条通新町下ルは南行きの一方通行で、
室町綾小路は西行の一方通行となります。
これは車のみならず、歩行者も同様です。
場所は八坂神社、鉾町で、時間は18時~23時(予定)です。
後祭宵山(あとまつりよいやま)は2018/7/21(土)~23(月)で、
山鉾巡行が7/24(火)です。
場所は、後祭鉾町となります。
後祭宵山には、四条通りの歩行者天国や露店の出店はありません。
祇園祭は、日本三大祭りの一つであり多くの観光客が訪れます。
宵山が混雑のピーク(7月16日)で、
次に宵々山(7月15日)の人出が多いです。
というのも、露店が出るのがこの二日間のみで、
これを楽しみたい方が多いからです。
この前祭宵山、多い年では一日およそ35万人もの人が訪れるそうです。
山鉾巡行にはもちろん沢山の観光客が訪れますが、
夜の露店と合わせての鉾巡り、
当然ながら混雑は避けられないでしょう。
この混雑に伴い、毎年迷子になる方が沢山いるようです。
京都祇園祭に行く時は予め集合場所や、
迷子になった場合はどうするのかを決めておくといいかもしれません。
交通アクセスについては、
前祭宵山(7月15、16日)は、毎年電車も終日混みあいます。
祇園祭から一番最寄りの駅で降りてしまうと、駅周辺が混みあい、
身動きが取れなくなる恐れがあります。
このための打開策としては、
一つ手前の駅もしくは一つ先の駅で降りるといいでしょう。
具体的には、
京阪本線…神宮丸太町駅
地下鉄線…丸太町駅(京都駅から祇園祭に行く場合は、地下鉄線です)
阪急線…大宮駅
などです。
最寄り駅の隣の駅と言っても、
1km以内にあるので、余裕で歩ける範囲内です。
実は、最寄り駅で降りて混雑に巻き込まれるよりも、
時間短縮になるでしょう。
祇園祭って?いつから?なんのために? 祇園祭についてのまとめ
祇園祭は、平安時代初め、
京都の街で流行した伝染病の流行を鎮めるために始まりました。
970年からは、なんと応仁の乱と第二次世界大戦の時期以外は毎年行われています。
1)平安時代、疫病が大流行
平安時代の初め、京の町には疫病(伝染病)が大流行していました。
当時の京都は森と水の都…とはいえ、
その頃の京都の夏も暑く、食べ物はすぐに腐敗し飲み水汚染で伝染病が蔓延、
信じられないほどのたくさんの死者が出ました。
2)怨霊の仕業
この時代、伝染病は
「現世に恨みを残して死んだ人たちの祟りだ」とされていました。
*菅原道真の怨霊を鎮めるために全国に天神社が建てられたのは有名ですね。
平安時代は、権力闘争が激しかった時代。
恨みを残して死んでいった多くの貴族たち・・・。
特に恐れられたのは、早良親王(さわらしんのう)の怨霊です。
早良親王は平安京を建設した桓武天皇の弟でした。
桓武天皇の部下暗殺に関わったと、
兄の桓武天皇に幽閉され餓死させられました。
朝廷の正式な占い機関「陰陽寮」!
ここには陰陽師(おんみょうじ)という占い師がいました。
映画でご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
陰陽師らは、伝染病の蔓延や洪水は
「早良親王らの怨霊の仕業である」と、
正式に認定しています。
3)御霊会で鎮める
細菌やウイルスの存在を知らなかった昔。
疫病や災いを防ぐには、怨霊たちを鎮めなければなりません。
この神事を「御霊会」といいます。
1最初の御霊会
863年、朝廷は「御霊会(ごりょうえ)」という祭礼を行って、
疫神や怨霊たちをなだめようとしました。
ところが、翌864年には富士山が大噴火(貞観噴火)。
さらに869年には東北で大地震(貞観地震)がありました。
*今回の東北地方太平洋沖地震と同じような
マグニチュード8.1以上の三陸沖の地震。
現代の日本で起これば大惨事のこの地震。
平安時代の人々はどんなに動揺したでしょう。
2再度、御霊会
そこで、朝廷は869年、ふたたび御霊会を行います。
この時は、薬師如来の化身の牛頭天王(ごずてんのう)を祀りました。
*昔、仏教が普及するとき、
日本の八百万の神々は仏教の仏の化身として現れたものとされました(本地垂迹説)。
薬師如来は病気を癒す仏さま。
牛頭天王はその化身なので、怨霊を鎮め疫病神を退散させる神さまです。
牛頭天王は後にスサノオノミコトと習合、同じものと考えられるようになりました。
*祇園大明神:スサノオノミコトの頭に、左を向いた牛の頭がのっています。
この牛頭天王を祀って、当時の国の数66本の矛に諸国の悪霊を乗り移らせて、
それらの悪霊を祓いました。
*この66本の矛が今の山鉾の由来です。
この御霊会が祇園祭の起源とされています。
3夏、八坂神社で毎年
「怨霊を鎮めたい」
「疫病の被害を止めたい」という思いで始まった祇園祭は、
毎年疫病が流行する真夏に行われてきました。
牛頭天王は876年から八坂神社でまつられるようになり、
八坂神社が祇園祭の中心となりました。
*明治の「神仏分離」以降、
神社では薬師如来(仏)の化身の牛頭天王は祀られなくなり、
変わりに牛頭天王と同じ神さまであるとされる
スサノオノミコトが八坂神社の祭神として
祀られるようになりました。
いかがでしたか?
祇園祭の先祭りは混雑するので、
電車で行かれる場合は、ひとつ前の駅で降りましょう、
一つ先の駅で降りましょう。
また、祇園祭は疫病などの原因とされる
怨霊を鎮めるために行われた御霊会が起源です。
平安時代から続いているというのは、
ずいぶん長い歴史がありますね。
祇園祭は7月1日から31まで儀式や行事が続きます。
普通祭りと言えば秋かなと思うのに、理由があったのですね。
歴史をしっかり知ることで、祇園祭もさらに楽しいものになると思います。
ただ、お相手の方とはぐれない様に気を付けてくださいね!
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